David Atkinson「日本の生産性が低いのは非効率な企業(中小企業)で多数の労働者が働いているから」
日本の生産性が低いのは非効率な企業で多数の労働者が働いているためだ
原因分析が曖昧で、ありもしない文化や伝統で説明しようと逃げる
日本は経済の専門家ですら原因分析が甘い
残念な原因分析の例
このあまりに”残念な勘違い”を象徴しているのが、「働き方改革」です。 残念な主張
残業を減らし、有給休暇を増やす。女性にも高齢者にも、働きやすい環境を作る。そうすれば、労働者のモチベーションが上がって、これまで以上によく働く。その結果、会社の業績も上がるので景気がよくなる。
...20年も経済成長が滞っているという事実こそが、労働者個人の頑張りでどうにかなる問題ではないことを雄弁に物語っているのです。
事実
生産性の高い先進国では女性活躍が進んでいるという事実があります。
一方、生産性の低い日本では、女性活躍が諸外国と比較して際立って進んでいないという、これまた動かしがたい事実があります。
残念な主張
日本も諸外国並に女性に活躍してもらえば、諸外国並に生産性が向上するに違いない
「日本の女性活躍が諸外国と比較して際立って進んでいない」ということの要因を分析できておらず、「日本は伝統的に女性が蔑視されている」「働きたくても保育所が不足している」という、なんとも大雑把な話しか語られていないのです。
これは冷静に考えれば当たり前の話です。小さな企業は産休や育休、時短などの環境整備が難しいので、どうしても女性が働き続けることのハードルが高くなるのです。
これが一次的な問題です。女性を蔑視する価値観や保育所の数などは、あくまで二次的な問題にすぎません。
「有給取得率は企業規模と関係する」という要因分析がなされています。大企業になればなるほど有給取得率が上がり、小さな会社になればなるほど下がることがわかっているのです。この傾向は万国共通で、日本も例外なく当てはまります。
日本の有給取得率が低いのも日本人の国民性ではなく、単に日本の労働者の中で大企業に勤めている人が約13%しかいないから これは流石にすぐに思いつきそうだが...基素.icon
1964年に中小企業が増える施策が行われた
この年、日本はOECD(経済協力開発機構)に加入しましたが、その条件として突きつけられたのが、かねてより要求されていた「資本の自由化」でした。 当時の日本では、資本が自由化されれば外資に乗っ取られるかもしれないという脅威論が唱えられ、護送船団方式など「小さな企業」を守るシステムが続々と整備されました。 中小企業基本法によって中小企業を手厚くまもったが、優遇措置が大きかったので50人未満の会社が増えた 法制度を作るまえに織り込まれているはずだが基素.icon
1990年代に人口増が止まると経済悪化して問題が顕在化した
日本の生産性を議論する際に必ず出てくるのが、日本では製造業の生産性が高く、サービス業の生産性が低いという事実です。この現状を説明するためによく言われるのが「日本人はものづくりに向いている」「サービス産業の生産性が低いのは『おもてなし』の精神があるからだ」という”神話”のような話ですが、実はこれも非効率な産業構造ですべて説明ができます